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クロサイ ブログ ~フウカの種~


国内のサイ状況から野生のサイの密猟現状まで幅広く
by Rhino pentarou
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日本初のクロサイ繁殖

 8月2日の土曜日に王子動物園近くの神戸文学館での企画展、王子動物園で生きた動物と、愛情を持って接した人間たちの物語を紹介する「物語る動物たち」を見に行ってきました。(この企画展は8月28日まで)

 王子動物園は、昭和34(1959)年から昭和53(1978)年までクロサイ飼育展示していました。

 クロサイの結婚式
日本初のクロサイ繁殖_a0313880_1830597.jpg
 どちらかが、雄のトミー(現在、天王寺動物園にいるクロサイのトミーではありません)、そしてマミーの2頭の結婚式です!(当時はすごいですね!ただ現在では動物の擬人化は動物本来の生態から離れているので、人気、イベント目当てで動物を擬人化扱いする動物園は少なくなっています)
 マミーが先立った後、後妻が二代目マミーです。 クロサイ史展ではないので、展示が2点しかなく解説が全くないのでブログタイトル通りになるように私が独自に王子クロサイ史の資料と補足文と解説をかなり足して頑張ってみますよ~~!


日本初のクロサイ繁殖_a0313880_18502545.jpg
 もし右側が来園時の推定5歳のトミー、左側が推定4歳のマミーとするならば、あくまで私の個人的で勝手な推測なのですが、写真を見ると2頭とも推定年齢が公表の-1歳の様な感じがします。
 昭和35年の10月の結婚式なら公表推定通りだと右側のトミーが7歳、左側のマミーが6歳・・・。
 スミマセン、私はサイが大好きなのでこういう見方もどうしてもしてしまうのです・・笑


日本初のクロサイ繁殖_a0313880_18521427.jpg


 ♀マミー s33年来園(推定4歳) s41年死亡

 ♂トミー s34年来園(推定5歳) s45年死亡

 ♀二代目マミー s42年来園(推定5歳) s52年死亡

 オスのトミーに対し、先妻マミー、後妻二代目マミーというペアの流れになっています。
 
 トミー、マミー、二代目マミーの年齢が推定と見て分かるように動物園生まれではなく、野生のクロサイだということが分かります。




 わが国初のクロサイ親子(母マミー、日本初の繁殖クロサイの雄のボビー)
日本初のクロサイ繁殖_a0313880_19175334.jpg
 王子動物園開園50周年記念誌より
 この年に我が国初の誕生がもう一つあった。
  1963年(昭和38年)11月16日、クロサイにオスの赤ちゃんが生まれた。
 幸い母乳で育ち、母親の愛情を一身に受けながらすくすくと成長した。
しかし、我が国初ということで、担当の米沢昌飼育員は最初の2日間は寝食を共にしてサイの子どもの世話をした。
 誕生後は全国的に話題になり、日本全国から連日見学に訪れる人が絶えなかった。



 ♀マミー s33年来園(推定4歳) s41年死亡

      ボビー s38年出生 s39年名古屋へ転出

      ロック s40年出生 s43年死亡

 ♂トミー s34年来園(推定5歳) s45年死亡

      二代目トミー s44年出生 s53年白浜へ転出

 ♀二代目マミー s42年来園(推定5歳) s52年死亡


 トミーとマミーの間に2頭、トミーと二代目マミーの間に1頭の計3頭の子供が誕生しました。


日本初のクロサイ繁殖_a0313880_1975676.jpg
 亀井 一成さんという当時、王子動物園もとい全国的に有名な飼育技師の方が書いた、「クロサイ誕生記」という昔の手書きレポートです。 亡き亀井氏が有名になった代名詞というべき全国初の人工哺育のチンパンジー「チェリー」(メス、51歳)が先日7月14日に亡くなりました。国内のチンパンジーでは5番目の長寿でした。


日本初のクロサイ繁殖_a0313880_19551276.jpg
 3~4枚はあったと思いますが、重ねていたので1番上の一枚目しか読めませんでした。 

日本初のクロサイ繁殖_a0313880_19571812.jpg
 正直、時代を遡った手書きなので一言一句読むのが分かりづらかったのですが、家族が増えて子供が大きくなると、親子など関係なくなってきて喧嘩が命とりになりそうだと飼育環境を危惧されている様子が書かれていました。
 そうです、今では動物の飼育放飼場の広さ、工夫の目安がだいぶ確立されていますが当時は、2頭でどれくらいの広さか?、それに子供が初繁殖なのでそこまで想像できる状態ではなかったと推測します。
 クロサイ飼育、シロサイ飼育の方法のちがいもなく、サイの飼育だったと王子の古くて狭いサイ舎飼育場を見れば想像は容易です。 今みたいに簡単に盛りたくさんの情報が手軽に入る時代ではなく、後手でも対応できれば良かったのですが、当然ながら憂慮する亀井氏のような洞察力のない飼育員も多く、また分かっていても対応できずにその結果、当時のクロサイは寿命がとても短かすぎて、その後の安佐動物公園のクロサイ飼育や天王寺動物園でいえば、園初繁殖のサッちゃんからだいぶ日本のクロサイ飼育は、ターニングポイントのように前進して寿命も延び、飼育環境も良くなっていきました。


日本初のクロサイ繁殖_a0313880_19584620.jpg



日本初のクロサイ繁殖_a0313880_2025033.jpg
 1964年にはクロサイの繁殖賞を受賞されました。 


日本初のクロサイ繁殖_a0313880_2026542.jpg
 現代の王子はクロサイよりも、後の長い間、皆さんに愛されたシロサイのサブローさんと、ナナコさんがいた動物園の印象が強いですよね。

 これは余談ですが、私は幼くして長い間、闘病と戦ったインドゾウの「オウジ」の印象が強烈に残っている園なんです。
 王子動物園は桜の名所としても有名な動物園で、桜の花びらが頭に積もるほどの舞い散るなかでの偶然出逢った、お別れ会がとても悲しかったぁ~~~~~~


 もちろんクロサイだけではなく、王子動物園のヨダレものの歴史展っぽいので、たまにしか行ったことがないという他府県の方にも魅力ある企画展だと思います。
 8月28日まで(水曜休館)夏休みの思い出になるほどの迫力はありますよ~!




補足資料提供元、クロサイ史補足文提供は(神戸市立王子動物園)さんより以前ありがたく提供して頂いたものです。





by pentarou_2010 | 2014-08-03 20:52 | 王子動物園 | Comments(2)
Commented by sainomimy at 2014-08-25 17:25
文学館がこういう企画展をしてくれるのはいいですね。クロサイ飼育に関しては、もうかなり昔のことになってしまったこともあって、王子動物園は、安佐動物園の影に隠れてしまっている感じはありますが、初の繁殖成功はすごい功績なので、ここで改めてスポットライトを当てているのはすばらしいですね。そして、記事に書かれているように、情報の少ないなかでの飼育の苦労は本当に大変だったと思います。初のクロサイ親子の写真も可愛い! また、王子動物園でサイが飼育されるといいですね。
Commented by pentarou_2010 at 2014-08-25 21:51
本当ですよね。 今は簡単に情報が手に入るので大変だったと思います!
前身から王子になり、現在までの歴史展の開催なのでクロサイに関しては2点だけでしたが、クロサイ日本初繁殖の資料はサイ好きにとってはとても凄い迫力があるものに変わりないですよね。
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