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クロサイ ブログ ~フウカの種~


国内のサイ状況から野生のサイの密猟現状まで幅広く
by Rhino pentarou
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遥かなるクロサイのフウカ 2024

2月16日(虹色の日)はクロサイのフウカの命日で、改めて、心を馳せました。
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この時期は世界で一番、サイの生息数が多い南アフリカのサイ密猟数の発表があります。

昨日、南アフリカ共和国環境省大臣が会見で499頭が2023年の1年間で、密猟に遭い、死んだと答えました。
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グラフ引用:Helping Rhinos

昨年比11%増の499頭になり、サイ密猟の戦場地がSANParks(クルーガー国立公園など含む、南アフリカの国立公園)から、クワズール・ナタール州にあるアフリカ最古の野生動物保護区であるシュシュルウェ インフォロジ保護区に主戦場が昨年頃から顕著に変わりました。

499頭の内、307頭が先述したシュシュルウェ インフォロジ保護区で起きました。

これに関しては、クルーガー国立公園にはシロサイ、クロサイが合わせて1万頭以上いたが15年間の密猟戦争で、現在は3000頭以下になったので、主戦場が変わったと指摘されているようです。

そして、新型コロナの影響で私有の保護区でサイを守る資金が厳しくなったのを狙われたのも、特徴です。

いずれにせよ、ベトナム、中国を中心としたアジアでのサイの角の需要が、未だに強いことが表れています。

特に、他のサイ生息国が密猟数が減っているのに対し、南アフリカだけは厳しい結果となりました。




希望 スマトラサイの赤ちゃんが2023年に、なんと2頭も誕生しました。

インドネシアのウェイカンバス国立公園で9月に生まれたメスの赤ちゃん
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Poto credit;Reuters

11月にはオスの赤ちゃん誕生。
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Photo credit: INDONESIAN MINISTRY OF ENVIRONMENT AND FORESTRY

スマトラサイは2019年にマレーシアではいなくなり、インドネシアだけでこの公園で10頭になりました。
あとは、カリマンタン島(別称 ボルネオ島)に1頭のメスが捕獲され飼育下で保護されています。

絶滅危惧種スマトラサイは、残り約80頭以下と約40頭とおおまかにこの二つの説明が載ることがありますが、個人的には約40頭だと考えています。


昨年の4月には多摩動物公園のインドサイ、「ター」 オス26歳が亡くなりました。

脚を痛めての起立不能による多臓器不全です。

インドサイ飼育はアフリカに住むシロサイ、クロサイと違い、本来は湿地で生息しているので足場は負担をかけないようにが原則なのに、26歳という若さで、起立不能から命を落とさせたのはいただけない。


朗報

ケニアのヒガシクロサイが密猟対策が功を奏して、生息数が1000頭になりました。

1970年以前は、約2万頭いたヒガシクロサイが一時期、400頭以下までになりました。

特に日本の動物園にいるクロサイは安佐動物公園開園時から遠いケニアから来た伝説のペア、クロとハナの子孫がほとんどなので、フウカも含め、ケニアとは無縁ではありません。


2023年も苦くて、しかし、希望もある年でありました。

もうすぐ、キタシロサイの胚を実際にミナミシロサイの代理母に使われます。

地球上にいる最後のキタシロサイのメスの親子に、子孫が生まれたと伝えることが出来るかも知れません。




# by pentarou_2010 | 2024-02-28 22:45 | 横浜市金沢動物園

世界初の体外受精によるサイの妊娠

残り2頭、絶滅から救うキタシロサイの最後の保険は科学でした。

キタシロサイにはオスが1頭も残っておらず、最後のオスだったスーダン(Sudan 2018年3月に45歳で安楽死)の娘、ナジン(Najin 今年で35歳)と孫娘のファトウ(Fatu 24歳)のメスの2頭しかいません。

この状況で、キタシロサイを救う方法は大きく2つの科学の選択、生前に保存していたオス2頭の精子とファトウの卵子を胚にさせ、とてもよく似た亜種であるミナミシロサイの代理母のメスに胚移植するまだ不確かな体外受精と、キタシロサイのクローン化(倫理面での批判も少なくない)でした。
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(ケニアのオル ペジェタ保護区で武装したレンジャー達に24時間見守られている ナジン 左 と娘のファトウ)

体外受精の主導を行うキタシロサイの絶滅を救う国際科学コンソシアーム(国際共同体チーム)の¨バイオレスキュー″が、2023年9月にまずミナミシロサイの胚を代理母のミナミシロサイが体外受精で、妊娠するかを実験した。

オル ペジェタ保護区で代理母13歳のミナミシロサイのメス、キュラ(Curra)に、ミナミシロサイの胚を肛門から2つ移植した。

数週間後、DNA分析により妊娠は胚移植からの結果である事が確認されました。
体外受精によって、サイが妊娠したことは初めてでした。

良くないことが起きました。

サイの妊娠は16ヵ月です。

胎児が70日を迎えた日に、オル ペジェタ保護区では豪雨によるサイたちがいるところが浸水し、その影響で代理母のキュラと胎児の父親であるミナミシロサイが体外受精とは関係ない細菌感染で亡くなってしまいました。

しかし、その悲劇のなかで光が見えました。

キュラの死亡解剖の結果、彼女の子宮から生後70日のオスの胎児が発見された。

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キタシロサイを絶滅から救うバイオレスキューグループの主任科学者であるトーマス・ヒルデブラント氏が、死んだ母親から生後70日の胎児を取り出した。


彼は「この小さな赤ちゃんがすべての証拠です」と、言った。

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同グループは今年の5月か6月までに、初めてキタシロサイの胚を使って実証する予定で、ミナミシロサイの次の代理母候補のアリメット(Arimet)の検査をケニア野生動物局職員たちと行いました。


キタシロサイの胚は、生前のオス2頭の精子とファトウから採取された卵子を使って作られた。
残りの胚は30個で、ドイツのベルリンとイタリアのクレモナに-196℃の液体窒素のなかに保存されています。











¨

# by pentarou_2010 | 2024-01-29 19:25 | サイの生態・医学 | Comments(0)

遥かなるクロサイのフウカ 2023

2013年2月16日に天国へと旅立ったクロサイのフウカが亡くなって、10年が経ちました。

生きている間に、出産時の不幸から一生懸命に立ち上がり、はって、歩んだ彼女が残した種を一粒、一粒、拾っています。
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毎年、サイの密猟を把握するために世界で一番、サイの生息数が多い、南アフリカをまずは見ます。

昨年の密猟数は448頭です。
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2021年に比べて、3頭減少した。

同国のサイがクルーガー国立公園に最大生息しており、2007年から2013年にかけて、クルーガー国立公園を舞台に戦争のような密猟者達が角を目当てにサイの密猟が多発し、南アフリカのサイは絶滅の危機に襲われました。


クルーガー国立公園にいたサイの生息数は2013年以降、59%も減少してしまいました。

2022年の密猟の特徴は、サイがいなくなったクルーガー国立公園から地方の個人が所有する自然保護区のサイを狙うようになりました。


なので、密猟が減ったといよりは、南アフリカのサイ生息数が減少したという見方が多数で、現在でも20時間に1頭は密猟で殺されている状態です。




〇アジアのサイについては、2022年にスマトラサイの赤ちゃんが3月24日にスマトラサイのメスの赤ちゃんが誕生するというビッグニュースが飛び込んできました。

インドネシアのスマトラ島ウエイ・カンバス国立公園内にあるスマトラサイ保護区で、同保護区で2012年に誕生したオスのアンダトゥ(Andatu)と2005年に野生で捕獲されたメスのローザ(Roza)との子供である。
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同じく、インドネシアのジャワ島ウジュン・クロン国立公園にのみ保護さされているジャワサイを政府は2011年から固定カメラを何百台と設置し、既知の大人のジャワサイからメスが新たに赤ちゃんを連れたのをカメラで分析して確認ができるようになった。


その2011年以来、35頭から72頭まで現在、生息している事を都度、発表していたのだが、非営利環境NGO団体の1つが、昨年の4月にインドネシア環境省が発表している数には透明性がなく、何年も生きているのが確認されていない18頭(オス9頭、メス9頭)が、最新の個体数に含まれていると保護に直接、携わっている何人かの匿名の情報を共有していると話し、ほぼ絶滅に近い種であるジャワサイの生息数に疑惑が生じ、世界に大きく報道された。
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問題を投げかけた団体はさらに調査すると、行方不明の18頭のうち3頭が、2019年にメス1頭、2021年にオス、メス、各1頭の合わせて3頭が既に亡くなっていることが分かった。


同団体の代表兼、ディレクターのマルヌン氏は「これらの損失も公表しないことは、政府による不当な美化だ」とインタビューで質問された時に述べた。


それと30年間、密猟や事故が起きていないといウジュン・クロン国立公園で2018年に密猟の兆候がある物的写真(発見された罠、穴から見つけたジャワサイの頭蓋骨の写真、上半身傷ついたジャワサイの死体写真など)を載せた論文も公開した。

保護に2019年まで提携参加していたWWFインドネシアのイムロン氏は「ウジュン・クロンの地域コミュニティやパートナー団体が、海から海岸公園に侵入する密猟者を目撃した」ことを環境省に報告していたことを話してくれた。


有名な動物や地球環境を守る非営利団体MONGABAYがインドネシア環境省に質問状を送ると、環境省事務総長の名で調査内容の確認は国の機密情報として答えられない。

しかし、15頭のジャワサイが確認が取れていない事と、ジャワサイに絞った密猟の兆候も認めた。


ただ、それ以外は答えなかった。


最近は、インドネシア政府の意にそぐわない保護団体はサイ以外の動物の保護にも参加させてもらえないという排除が浮き彫りとなってきているという。


最後にサイの5種はすべて絶滅の危機にあるにも関わらず、それぞれの生息国で保護団体は密猟以外にも政府との関係性にも苦労しているというのが理解できました。


また、フウカの仲間が絶滅にならないように、出来ることを続けていきたいと、旅立ってからちょうど10年目に遥かなるフウカに気持ちを捧げたいと思います。








写真&記事引用抜粋(MONGABAY)
写真&記事引用抜粋(Intennashional Rhino Foundation)


# by pentarou_2010 | 2023-06-13 19:35 | 横浜市金沢動物園 | Comments(0)

さようなら サイたち 2022年




素晴らしいサイが亡くなってしまいました。

6月

横浜、金沢動物園のインドサイのキンタロウ(オス 38歳)
(1983.07.12~2022.06.17)
ドイツ シュトゥットガルトにあるヴィルヘルマ動物園生まれ
1985年(昭和60年)8月に金沢動物園に来園
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私が初めて出会ったインドサイがキンタロウでした。
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金沢動物園に初めて行った日に、平日で入園者もまばらななか坂の道を上りながら、ふとキンタロウを見た瞬間、アジアゾウのとこに来たのかな~?
みるみる近づいて見ると、インドサイのキンタロウだったことが強烈に記憶に残っています。
やはり、クロサイ飼育もここでは行っているのですが、体格がクロサイより一目瞭然に大きいということが分かります。
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2003年に2度目となる(1995年にサワコというペアのメスが亡くなっています)ペア相手のゴポン(メス、1999年.12.22 米、サンディエゴ動物園サファリパーク生まれ)が、2003年5月19日に3歳で金沢動物園に入園しました。 キンタロウとの年の差は16歳。

ゴポンとの間に、長女のアスカが2007年3月に産まれましたが、50日後に亡くなりました。

2009年8月15日に第二子、長男のブンタが誕生しました。(現在、東山動植物園に移動)

2014年1月31日には第三子、次男のチャンプが誕生しました。(現在、秋吉台サファリパークに移動)

繁殖でいえば、日本のインドサイは成功しているとは言い難いなかで、キンタロウとゴポンのペア頼りになっていました。


そして2021年12月にペア相手のゴポンを繁殖計画で多摩動物公園に移動

2022年3月に当時、推定19歳のメス、ナラヤニ(ネパールのチトワン国立公園で捕獲)が来園し、大きな繁殖計画が望まれました。


ただ、キンタロウは不調が始まり、要注意であった。


調子が悪かった期間、ほんの少し耳に入ってきてましたが、担当も一生懸命にやられていたようでキンタロウは最後の前日まですごく心配されながら、部屋に戻って担当が最後に見た場所で、6月17日の朝に眠っているように天国に旅立ったそうです。
死因は調査中とある。
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国内最高齢だったキンちゃん、同じ時代に逢えて嬉しかったです!!

色々と勉強させてくれてありがとう。

どうか、安らかに。



7月


安佐動物公園  ヒガシクロサイのヘイルストーン
(オス 30歳 1991.7.30~2022.7.28)
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クロサイのメッカである安佐動物公園の偉大なクロとハナから引き継いで、第一クロサイ舎でハナの仔であるサキさんとペアを組んだ。

日本国内のクロサイはクロとハナの子孫で多くなり、種の遺伝的多様性を求め、アメリカのサンフランシスコ動物園生まれでハワイ育ちのヘイルストーンが、1999年3月15日に来園しました。

ちなみに、ヘイルストーンのお母さんである2017年に北米最長寿46歳で亡くなったEllyさんは、ハナさんの多産記録10頭を塗り替え14頭の記録を持つサンフランシスコ動物園の有名なクロサイでした。

奇しくもヘイルストーンも同じ、母 Ellyさんと同じ足の問題で亡くなってしまった。
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ハナの第六子のアイの仔、イヨとの間に1頭、第九子のサキとの間に6頭、計7頭のパパであり、世界の絶滅の危機にあるクロサイに貢献してくれました。

ヘイルストーンは非常に寒さに弱く苦手で、山間にある安佐動物公園の冬は意外にとても寒く、彼にとっては大変な地域であった部分でもありました。
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オスの重量感を感じさせるカッコ良いクロサイは足の問題で生きていく回復の見込みがなくなったと判断され、安楽死になり静かに闘病から解放されました。


ありがとう、ヘイルストーン!





8月

8月21日は静岡、日本平動物園のミナミシロサイのサイコが亡くなりました。

41歳のメス、国内43頭いるミナミシロサイのなかで4番目の高齢サイでした。
(1981.01.05~2022.08.21)
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初めて会いに行った時、私は彼女と触れ合うことが幸運にもできました。
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サイコさんの温もり、近づくと遠くからとちがい、またつぶらな可愛い瞳。


サイコさんは、この頃はまだ気が強くてペア相手の1歳年下のタロウとよく夫婦喧嘩することで知られていました。
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左がタロウと右がサイコさん・・の放飼場到着時、さっそくの夫婦喧嘩中。


でも、これは繁殖を期待されたのでこういう夫婦と言われていたが、お互い、これはこれで夫婦のなかって人間と同じ2頭にしか分からないものだと思いました。

死因は膣ガン(ちつがん)でした。

1年8か月の闘病だったそうです。

日本平動物園で33年間愛された美しいミナミシロサイのサイコさん。


どうか、安らかに。




ぜひ、3頭の園公式発表などを見てください。
ここに書いていないことも書かれています。

公式金沢動物園:キンタロウのさいごの様子 
https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/zoo/kanazawa/details/post-1833.php

公式安佐動物公園:クロサイのヘイルストーンについて http://www.asazoo.jp/event/news/animal/4984.php

公式日本平動物園:シロサイ『サイコ♀』が死亡しました https://www.city.shizuoka.lg.jp/000947805.pdf




# by pentarou_2010 | 2023-02-09 21:50 | Comments(0)

お知らせ

いつも窮地のサイたちに関心を寄せて頂き、ありがとうございます。
今年に入ってから、体調不良でおめでたい話やサイからのSOSがたくさんあるのに、ブログを2月から新たに更新し伝えるのがほんの少し困難になってきました。なので、まずは体調を良くする事を優先し、少しずつ出来るようにと考えております。

ご理解賜りますようお願い申し上げます。


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Photo credit : Brent Stirton


# by pentarou_2010 | 2022-07-04 23:08 | Comments(0)


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